家 庭 生 活 領 域  
                          
「家庭生活」における「学習材」を取り入れた授業の考察
〜「衣生活に関する仕事」の実践を通して〜

                    札幌市立真栄中学校  教諭  山 岸 紀美子
 






 

 

T はじめに

 今日我が国の社会は,情報化,少子化,高齢化など大きく変化している。急激な社会の変化の中で,この先どんな知識や技能が必要になるか予測することは非常に困難になってきている。このため,次代を担う子供たちにはいかに社会が変化しようと自分で課題を見つけ,自ら学び,自ら考え,主体的に判断し,行動し,よりよく問題を解決することができる力が必要である。すなわちそれは『生きる力』であり,それを育成するための教育内容が検討されている。  

 現在,家庭を取り巻く環境は日々変化し,家族や家庭の形態,在り方自体も大きく変化している。したがって家庭生活領域の指導にあたっては常に生徒の実態を踏まえる必要があり,この領域が絶えず変化している今の社会状況と最も密接な関わりがあるといえる。また,家庭生活領域の内容は,1つの領域としてはかなり多岐にわたっており,この領域を指導する上での難点でもある。しかし,日常生活に密着した学習内容は,生徒が様々な生活上の課題を見つけやすく,授業の中で見つけた課題を生徒自らが考え判断し,家庭生活において実際に行動するという形が比較的とりやすい領域とも考えられる。

 これらのことからこの領域の学習が基になり,他領域でさらに内容を深めていくことが『生きる力』の育成につながると考える。

 

U 研究のねらい

 家庭生活領域の内容の中で家庭の仕事に関する項目は,特に他領域との関連が深い。従来,家庭での衣食住にかかわる仕事については,家庭内である程度体験している生徒が多かった。しかし,現在は時間的ゆとりの不足もあって家庭での生活体験が乏しい実態が見られる。家庭生活自体も変化しているため,家庭の仕事の仕方も変化している。その1つである衣生活も素材,デザイン,色柄,サイズ等多種多様な既製服が出回り,選択の幅が大きく広がっている。その中で,中学生でも

 

自分で衣服を選択,入手する機会は増えている。その反面,選択が安易であったり,手入れが不十分なことが多い。また,衣服の点検や衣服計画についての関心も薄いのが実態である。そこで家庭の仕事のうち,衣生活に関する仕事に内容を絞り,現在の衣生活をより快適に営むために必要な知識や技能を生徒が自ら学び,日常生活の中に生かせるような授業実践を試みることにした。その手だてとして「学習材」を取り入れた授業を行うことにした。「学習材」を工夫することにより,生徒に学ばせる(気付かせる)場面や生徒が試行錯誤する場面が多くなり,思考力,判断力,表現力が養われると考えられる。このことから,変化の激しい家庭生活をその時点で見つめ,状況に応じて適切に判断し,生活を改善しようとする力を育むことにつながると考えた。

 

V 研究の内容と方法

 1.生徒の実態調査 

  市内6校の1年生約700人の生徒を対象に 衣服の点検計画,入手,手入れ,整理・保管な ど衣生活にかかわる仕事についてのアンケート 調査を行った。生徒が日常家庭内で実際に行っ ている仕事の仕方,内容,程度などがつかめる ように衣服の購入の仕方や観点,洗濯,アイロ ンかけ,ボタン付け,染み抜き等の手入れの経 験,着なくなった服のリフォームなどに関して 設問を考えた。

 2.生徒の変化に対応した指導計画の作成 

  生徒の実態調査を踏まえ,「学習材」を取り 入れた35時間の授業を想定し,指導計画を作 成した。

 3.「学習材」を取り入れた衣生活に

          かかわる仕事の授業実践

  衣生活にかかわる仕事に配当した8時間につ いて「学習材」を取り入れた指導案を作成し, 実践した。

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